【第2回|暴露】なぜ人は損切りできなくなるのか|−2100万円を生んだ心理メカニズム
FXで負けた理由はひとつではない。
ロット管理の崩壊(第1回)に続き、もうひとつの“最大の原因”がある。
「損切りができなくなるメカニズム」
僕はこの罠に5年間以上ハマり続け、最終的に−2100万円を失った。
これは「損切りが苦手」というレベルではなく、 心理・脳・相場構造が複合的に働く“損切り不能ループ”だった。
この記事では、僕の実例と心理構造を交えて、 「なぜ人は切れないのか?」を徹底的に言語化する。
人はなぜ“たった−1,000円”を切れないのか?
僕の損切り不能は、いつもこうやって始まった。
−1,000円(軽症)
この時点で切れば何の問題もない。
でも、“それができない人間”だった。
「まだ−1,000円なら戻るでしょ?」
この一言が、何百万円もの損失に育っていった。
そして次に起きるのが…
第一段階:ナンピンで−1,000円 → −5,000円へ
逆行する。
そこで僕がやるのは、損切りじゃない。
ナンピン。
ナンピンすると平均建値が近くなる。 すると脳が「戻りやすくなった」と錯覚する。
結果はこうだ。
- −1,000円 → ナンピン → −5,000円
ここで切れば被害は軽微。
でも…切れない。
なぜなら、この時点では“まだ余裕がある”。
余裕があるうちは、人は絶対に損切りしない。
第二段階:さらにナンピン → −20,000円へ
逆行は続き、今度はこうなる。
- −5,000円 → ナンピン → −20,000円
もう計画はない。
冷静さもない。
このあたりから心拍数が上がり、 “切りたい・切れない”の板挟みで精神が削られる。
でも、人間は不思議なもので…
損失が増えるほど、損切りができなくなる。
脳が「ここまで来たら戻ってほしい」に支配されるからだ。
切れない心理①:損失回避バイアス
人間は「損失を確定させる苦痛」を、 利益を得る喜びの2倍強く感じると言われている。
つまり、−20,000円を切る苦痛は、 20,000円勝つ喜びの2倍以上。
この本能が、“切れない自分”を作る。
切れない心理②:希望的観測バイアス
ナンピンすると建値が近くなり、こう思う。
「あとちょっと戻れば助かる」
この“希望”が最悪で、損切りをどんどん遠ざける。
切れない心理③:サンクコスト効果
人は、すでに支払ったコストを取り戻そうとする。
・−1,000円切れない ・−5,000円切れない ・−20,000円切れない
そして、こうなる。
「ここまで耐えたのに、今切るのはもったいない」
結果、損切り不能が完成する。
第三段階:損切り不能 → ついに“限界ライン”へ
この流れは何度も経験した。
そして最も記憶に残っているのは…
最大−170万円
…もうチャートなんて見れない。
パソコン閉じて、部屋を歩き回り、 スマホの通知すら開けない。
人は一定金額を超えると、 “損切りしたら精神が壊れる”と脳が判断し、 損切りボタンを押せなくなる。
ここまで来たら、ほぼ終わりだ。
僕もその“終わり”に何度も到達し、 強制ロスカットで口座が吹き飛んだ。
ゴールド特有の「損切り不能メカニズム」
ゴールドは“損切りを遅らせる罠”が多い。
- 戻りやすい形に見えるヒゲが多い
- 1分で逆方向に急反転する
- 指標で一瞬建値付近まで戻ることが多い
これが人にこう思わせる。
「やっぱり戻るんじゃないか?」
そして損切りが遅れる。 ナンピンが増える。 ロットが肥大化する。
最終的に“切れないライン”へ到達する。
損切り不能は“性格の問題”ではない
誤解しないでほしい。
損切りできないのは性格のせいではない。
脳の構造・ストレス反応・相場の罠が 複合的に絡み合った結果だ。
だからこそ、努力や根性では治らない。
僕が−2100万円を失った本当の理由は、 損切りできない仕組みを自分で作ってしまったことにある。
唯一の改善策:ロットを0.05に落とすことだった
あなたが第1回でも読んだ通り、 僕が変わった唯一の方法は…
ロットを0.05に落とすこと。
たったこれだけで、損切りの世界が変わった。
- 損切りが怖くない
- ナンピンが必要ない
- 含み損が軽いから冷静
- 建値にこだわらない
- “損切り不能ゾーン”に到達しない
ロットを落とすだけで、 5年間の苦しみから解放された。
損切りは才能ではなく、環境の問題。
ロットは環境そのもの。
まとめ:あなたが損切りできないのは“あなたのせいではない”
損切り不能の裏側には、明確なメカニズムがある。
- 損失回避バイアス
- 希望的観測
- サンクコスト効果
- ナンピンの罠
- ゴールドの性質
- ロットが大きすぎるという環境要因
これらが積み重なると、 “損切りは心理的に不可能”になる。
僕は−2100万円という代償を払ったけれど、 その経験は誰かの役に立つかもしれない。
そして、次回は——
【第3回】ナンピンが脳を壊す理由|取り返したい病の正体
これについて深掘りします。















